-奔流に抗う-
貴方
-奔流に抗う-
- 51
- 12
- 1
今年の桜は早々と血を流して
川沿いを歩いていた幼い僕を誘惑した
「春も終わりか」寂しそうに誰かが呟いた
……………………………………………
夜の骨は濡れた土の上でも、
光を失うことはなく君の帰りを待っている。
生い茂る緑に隠したものはなんだったか。
「ここにはもうなにもない」
誰かが言った。
幼かった僕にはあまりにも冷たい言葉。
貴方の体温に悲しみがあったこと、
いつまでも覚えている。
「あの木の下には─────」
大切なものがあるんだって教えてくれた。
「春だから」
掴んた裾の黒は遠くには消えてなくならない。
写真が嫌いになったのはいつ頃からか。
三月の微笑みか、
四月の熱病か、
五月の憐憫か、
あの日ポケットにしまった飴玉は、
今もまだ溶けてへばりついたままだ。
丈の合わない制服が僕を包んだ時、
楽園に足を踏み入れられると思っていた。
「消えてしまえ」
過去の心
「消えてしまえ」
今の心
「消えてしまえ」
明日の心
「消えて消えて消えて...」
最後に残ったのは誰でもない。
死んでしまった幼い僕。
奔流に抗えなかった醜悪な生。
────アドリブ&性別変更大歓迎─────
穏やかに
前の台本⤵︎ ⤵︎
次の台本⤵︎ ⤵︎
unknown
#コラボ募集 #朗読者募集 #オリジナル #拍手返します #朗読 #台本 #無力な僕 #BGM #声劇台本 #BISオリジナル
コメント
1件
- ???????お借り致しました